ぎしり、と腰掛けたベットが軋んだ。
ベットに膝を乗せ身を乗り出すようにして、スザクの顔を覗き込む。
「お前が……欲しい」
でも嫌がることはしたくないんだ
そう言って俯いたルルーシュの頬に手を添え、上を向かせる。
「君に……そんな風に思ってもらえていたなんて、すごく嬉しかった。嬉しかった、んだ」
だから嫌なわけなんて、ないだろう?
彼自身の身体よりもゴツゴツしてて柔らかくなんてかけらもなくて。
筋肉が浮き出るような身体を持った僕を、それでもいいと言ってくれるなら。
凌辱を受けた僕を、それでも受け入れてくれると言うのなら。
「ありがとう、スザク」
そして、愛していると。
そうはにかみながら笑うルルーシュに、一人でに涙が溢れてくる。
嗚呼。
俺はなんて罪深くて愚かで幸福者で罰当たりな人間なんだろうか。
ルルーシュの優しさに触れる度に、痛むように疼く胸が苦しい。
それでも触れ合える嬉しさには変えられない。
指から腕から唇から、全てから。
ルルーシュの温もりと想いが伝わってくるような気がして、より身体を抱き寄せる。
そんな僕をなだめるように優しく背中を叩き頭を撫でる仕草に、また涙が溢れた。
勝手に沸き上がる鳴咽に苦戦しながらも、どうしても伝えたくて言葉を紡ぐ。
「僕も、僕もね」
愛してるよ、ルルーシュ
その瞬間、ルルーシュに力強く抱きしめられた気がした。
<END>
・後反・
秘め事、のときの初夜のイメージで書いてみました。
火花のときに無配していたSSを載せてみました。
短くて本当にすみません……
憎まれ、軍に従属するスザクは自分自身が愛されることが怖くて嬉しくて哀しいのかなという妄想。
人の命を奪った自分は、愛される資格はないって頭のどこかで思っているイメージです。
だからルルーシュのこと好きだけど、どこかでブレーキをかけようとしている自分がいることを否めない感じです。
090305 掲載
080928 作成