「もう、行かなくちゃ」 時計を見るような動作をして、残念そうに呟いた。 「まだ来たばかりだろ?」 言い訳がましく言う俺に、首を静かに横に降る。 「そんなこと、言わない。また、会えるから」 「必ず?」 子供っぽい聞き方しか出来ない自分が嫌になる。 それでも今この不安定な時期に、志乃にいつ来なくなる日が来るか不安で。 不安で、たまらなくて。 「うん。必ず、絶対に」 了承の言葉を聞いてもまだ、それは消えなかった。 アイツなんかじゃなくて、俺がそばにいるから。 絶対、必ず。 そばにいるから。 だから... 「じゃあ、またねハセヲ」 志乃を囲むように青い球が発生し、軽い電子音を立てて消えた。 さよなら、ではなく、また、と言ってくれたことに少し安堵する。 でもそれでもやはり... 到底、本人に言える勇気なんてないから。 その球が消えるか消えないかの刹那。 とても小さく、言葉を紡いだ。 「俺以外、見ないでほしい」 <END> 2007.04.18 作成 2007.04.25 掲載 好き過ぎる7のお題//俺以外見るんじゃねぇ
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