アスランは、老若男女問わずに人気がある。
...と思う。
性格はいいし、頭はいいし、顔はいいし、人当たりはいいし。
好かれる要素は、山ほどあった。
そんなことを考えながらぼーっとアスランのことを追っていたら、
みるみるアスランが大きくなってきた。
「どうかしたのか?キラ」
話し掛けられて初めて、こちらに来たのだと気がついた。
「...別に」
君のこと見てました、考えてました。
なんて言えるわけもなく。
たっぷり沈黙を用いて答えた。
答える前に隣に座ってきたことに気がついたので、
八つ当たりに憎まれ口をたたいてやる。
「此処になんていていいの?さっき、ラクスもカガリも用事があるって君のこと探してたけど」
最初の、なんて、に無意識に力を入れた。
それに気付いてか、無意識か。
「今はお前の...キラのそばにいたいんだ」
笑みを浮かべながら、頭を片腕で引き寄せられた。
...甘えていい、というアスランの言外の合図。
数秒躊躇し、身を硬くした。
だが力強く握った拳を緩めると、隣にいるアスランの方を上半身だけ向け。
勢いよくそのまま抱きつき。
「...ばか」
そして、小さく小さく呟いた。
<END>
2007.04.19 作成
2007.04.24 掲載
好き過ぎる7のお題//多分自分は、彼に心底惚れている