「濡れちゃったね」 湿って重くなった髪の先から、水滴が滴れ落ちる。 その様子に少々みとれてしまった自分に、ちょっと恥ずかしくなって。 志乃に話掛けられたことも気がつかなかった。 「聞いてる?」 下から覗き込むようにして見上げてくる志乃に、またみとれて。 ...あぁまだまだ自分は子供なのだ、と。 言外にそう諭された気がして。 それでも素直に認めたくなんてないから、掛けた上着ごと志乃を抱きしめ。 何気なく、ごまかした。 <END> 2007.02.19 作成 2007.03.16 掲載 夏色課題//降られ、夕立
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