「剣と剣がぶつかり合う時に生まれる火花って、見たことある?」 明らかに唐突すぎる質問に、ルルーシュは少し黙り込んでから答えてくれた。 「いや、ないな。それがどうかしたのか、スザク?」 「いや...別に、何でもないんだ」 歯切れ悪く言う俺に、ため息を小さくついて。 「俺に隠し事?」 「いや、別にそういうのじゃなくて...」 じゃあ、言えよな。 そうゆっくり促してくれるのは君の優しさ、なんだと思う。 「夏になるとさ、花火を思い出して」 「あぁ」 「花火と火花って似てるなぁ、ってただそれだけだよ」 「そうか」 でも。 無理に深くまで聞いてこないのも、君の優しさだと思う。 火花は、散る直前の線香花火を思い出させて。 散る直前に、最期に振り絞り放たれる光。 僕はこの線香花火に、あといくつ火をつけるのだろうか。 <END> 2007.02.24 作成 2007.04.22 掲載 夏色課題//線香花火みたいに
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