「だめ、止められない」 「ちょ、こらっ、エン...」 そこまで呼んで、口に指を当てられる。 『リアルの時は、絶対にリアルネーム―名前―で呼ぶこと』 二人の中で、暗黙の了解だった。 「好きすぎて、もうだめなんだ、亮」 もうおさえがきかないんだ。 耳元で、そんな熱い声でささやかれたら どこのだれだって、さからうことなんてできないと思う。 「...今回、だけだからな!」 負けおしみで、そう叫ぶとこれでもかと嬉しそうに ほほえむ薫の顔が目に入って。 何だか最初に拒否した自分のほうに非が気がして、悔しくなって。 こちらからキスを仕かけてやった。 <END> 2007.02.20 作成 2007.03.16 掲載 夏色課題//君とはじめてのコト
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