「志乃っ!」 大聖堂に響いた君の声は震えてて、泣いてくれてるんだって思った。 前に、ここで聞いた時と同じ。 でも明らかに違うその声。 「貴方なら、って信じてたよ、ハセヲ」 最初は、オーヴァンに振り向いてもらいたくて身を捧げた。 ハセヲのため、というよりオーヴァンのために。 それでも私のために一生懸命になってくれてる君を見て。 ...いつの間にかハセヲのことしか考えられなくなってた。 「もう...消えないでくれよ」 消え入りそうに呟かれた声は、肩に触れた手と同じように震えて いた。 「大丈夫。もう絶対、貴方の前から消えない」 貴方から、離れないよ。 手を握りながら、目を見ながらそう言うとそのまま腕の中に収められた。 私たちの絆は、もう絶対になくならない。 ...もし断ち切りたければ、星の数より多い障害を用意してみなさい? <END> 2007.02.27 作成 2007.04.17 掲載 夏色課題//星の数じゃ足りない
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