「ラクス様っ!」 パァーーンッ 響き渡る銃声に、ミーアの身体は舞った。 抱き留めるラクスに、盾になるようにアスランとキラは飛び出した。 「ミーアさん!ミーアさん!!」 「ラクス、様...ご無事で」 発砲者はアスランとキラの活躍によって、すでに事切れていたようであった。 辺りは静寂に包まれていた。 「私、ずっと、ラクス様に...ぁ」 「...っ!もうしゃべらないで下さい!お医者様の元に早くっ」 そうアスラン達に向かって叫ぶラクスの頬にそっと手を添えた。 その行動に弾かれたようにミーアのほうを向き直り、 微かに動く口唇から何か聞き取ろうとラクスは顔を寄せた。 ありがとうございました。 そして、すみませんでした。 その言葉と、瞼の柔らかい感触。 それらを遺して、彼女の腕は重力に従った。 「ミーアさんっ!ミーアさん!!」 呼び掛けても、もう返事はなかった... 瞼へのキスは、憧憬。 憧れの、表現。 ずっとずっと、貴女は私の憧れでした。 <END> 2006.11.08 作成 2007.05.03 掲載 「瞼//憧憬」 ミーア→ラクス
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