「でも、あれだキラ」
「ん?」
明るい笑顔で人々を幸せな気持ちにさせる。
ころころよく変わる表情で、こんなこと言ったら怒られるけど、見ていて面白い。
前よりは大分落ち着いたものの、表情が豊かなのは変わらない。
僕とは、大違い。
「キラは、アスランよりはまともだと思うぞ!」
アイツは見かけしっかりしてるが、案外抜けてるからな。
「はは、ありがとうカガリ」
アスランのことちゃんと見てて。
たまに、ちょっとはっきり言い過ぎることもあるけれど、
それがまた彼女の良いところでもあったりする。
でもアスランのことを語るときの、その君のはにかんだ笑顔。
やっぱり僕たちは双子なんだな、って思う。
君のその真っ直ぐで、
何にも揺るがないところは僕には到底適わない。
オトコだから、とかオンナだから、とかは関係ないと思う。
自分の気持ちに真っ直ぐで、自分に嘘がつけなくて。
君になら、アスランを任せられる。
アスランになら、君を任せられる。
だから、ね。
「な、な・なっ!?」
いきなり手にキスをされたら、やっぱり誰だって驚くだろうか。
「ん?あぁ、誓いっていうか...敬い、みたいな?」
そんな君を、尊敬しているんだ。
<END>
2007.01.16 作成
2007.05.01 掲載
「手//尊敬」
カガリ→アスラン←キラ